打ち合わせ会議の議事録作成
会議の名称 開始日時 終了日時 開催場所 参加者 誰が 何を いつまでに なぜ
どのようにするのか
議事録を書く時の5つのポイント
1) 議論の目的に合った切り方にすること 2) 具体さを失わないこと 3) 論点を意識すること 4) 目的を意識すること
5) 決まったこと/話し合い中のことを
区別すること
議事録の例
議題:livedoor 業務 定例会議
日時:2013年4月22日(月) 17:00~18:00 場所:社内 B2会議室 参加:開発部 S さん、Y さん CM 部 櫛井、N さん、B さん ●各自の宿題
・今週中にプログラムのバグについて再現性があるか調査を行う(N さん)
(バグとはコンピュータプログラムに含まれる誤りや不具合のこと)
・来週木曜までに新規作成ページのデザインを4ページ分作成する(Yさ ん) ●MTG の主旨
livedoor XX について、1週間の実績値報告と 進捗情報の共有を行うための定例会議。
●進捗(しんちょく)の確認 ・機能A について
すでに開発環境で動作している状態になっている。チェック待ち。(S さん)
→25日までに動作の確認を行う。その後デザイン作成依頼を行う(櫛井)
<中略>
・広告案件B について
クライアントチェック中。回答は週明け月曜の予定。(N さん) ●その他
・次回から誰か議事録をとってください(B さん) → Tさんが適任なので次回からやってもらう。(櫛井)
今日の授業の宿題
① 会話練習のグループで、議事録を作成し、来週に発表すること。 内容はテキストの15、16、17課の内容を一つ選んで作成する
事。箇条書きの文体使用。 ② 第18課の予習
議事録を書く時の5つのポイント
議事録のポイントは次の5つです!
1) 議論の目的に合った切り方にすること 2) 具体さを失わないこと 3) 論点を意識すること 4) 目的を意識すること
5) 決まったこと/話し合い中のこと、を区別すること
発言内容を書き留める時や、実際に議事録にまとめ上げる時には、この5つのポイントを意識しましょう。議事録の仕上がりが格段と変わってくるはずです。
1) 議論の目的に合った切り方にすること
議論は現状確認→議論→今後に向けて
発言内容をただ書き連ねてはならないのは、言うまでもありませんね。内容をまとまりごとに分けて書くと、読んだ時に分かりやすくなります。その時、議論の目的に合った切り方で内容を分けるというのが、最初のポイントです。
議論の目的とは、「現状を踏まえて、何かを論じ、次のアクションにつなげること」です。なので、議事録を読む側の意識も、今回どういう現状が確認されたのか、何が論じられたのか、今後に向けて何が決まったのか、という3つのことに向かいます。したがって、内容の分け方も、「確認した現状」「議論内容」「今後に向けて」の3つにしましょう。
例えば、「新たな広告戦略を検討する会議」を想定してみましょう。まず、広告を打ち出すべきターゲットを、はっきりと特定できていない、という現状を確認したとしたら、それは「確認した現状」として記述します。そして、ターゲットとすべき顧客セグメントはどこかを議論したら、それは「議論内容」に記述します。そして、顧客セグメントを特定するために、データを追加収集することになった場合、それは「今後に向けて」に記述します。
1つ目のポイント、「議論の目的に合った切り方にすること」、ご理解いただけましたか? この3つの切り口で内容を分けたら、次は中身です。次のポイント「具体さを失わないこと」は中身に関するポイントです。 2) 具体さを失わないこと
議事録では、内容の具体さを失った抽象的な記述にならないよう気をつけましょう。後になって読み返したり、議論に参加していない関係者が読んだ時に、「それが一体何なの?」と疑問が沸いてくることになりかねません。
例えば、「問題点……Web広告」という記述をしたとします。これだと、Web広告の何が問題なのかよく分かりませんね。Web広告があまりクリックされていないことが問題なのか、費用がかかりすぎているのが問題なのか……。
読んだ人に「それが何なの?」と思われないように、具体性に気を付けて書き留めておくことが大切です。
さて、「具体さを失わないこと」が重要だからと言っても、なんでもかんでも議事録に書いては困りものです。不要な情報ならば、書くのも読むのも時間がもったいないですよね。では、議事録に書くべきこととは何でしょうか?
3) 論点を意識すること
論点を意識する
議事録に書くべきこととは、ずばり「論点に答える情報」のこと。ここで言う論点とは、「読む人がこれまで知らなくて、知りたいと思っている情報」です。知っていて当たり前な情報や、知りたくない(知らなくてもよい)情報は、読む時間がもったいないですね。
論点を意識するテクニックとして、項目名を「~について」としない、ことがあります。なぜならば、項目名が「~について」だと、~について何が知りたいのかが、ぼやけてしまうからです。
例えば、「ターゲットとすべき顧客セグメントについて」という項目名よりも、「ターゲットとすべき顧客セグメントはどこか?」の方が、知りたいことの焦点がはっきりしますよね。
また、論点に応える情報のウェイトは、確認した現状よりも、何を議論し、今後に向けて何が決定したのかにあります。ですから、議事録の構成比率が、確認した現状7割、他が3割、という具合になっていたら要注意です。 目安として、現状4割、議論内容3割、今後に向けて3割、ぐらいになるように、気をつけてみましょう。
ポイントはまだあります。次のポイントは「目的を意識すること」です。 4) 目的を意識すること
今後に向けての内容で「~をやる」とだけ書いても、「なぜやるんだったかな?」となりかねません。目的も合わせて書くことが大事です。
普段の業務では、どこが問題なのか、なぜ問題が起きているのか、といったことを飛ばして、とにかく打ち手をどうするか、に意識がいきがちです。私はそれを「How思考の罠」と呼んでいます。どうでしょう、みなさんはHow思考の罠に陥っていませんか?
議事録でもそれは同じで、何をやるのか、はきちんと書かれていても、何のためにやるのか、が抜け落ちているケースが意外と多く目に付きます。ビジネスは、とにかく何かをすることが目的ではありません。目的を達成することが目的なのです。
目的がはっきりしていれば、決定したやり方ができない、と判明した時でも、代替案を考えられますね。目的が書かれていなければ、「それはできません」で終わってしまいます。しっかり目的まで書き残すように気をつけましょう!
ポイントはあと一つ! もう一息です!
5) 決まったこと/話し合い中のこと、を区別すること
会議は何かを決めるためにありますが、時間内では決まらないこともありますよね。決まったことと話し合い中のことは、しっかり区別して記述に残しておきましょう。そうしないと、もう決まったことなのに、また話し合ったり、まだ話し合い中のことなのに、決定事項として次に進んでしまったりします。
また、議事録によっては、書き手の所感など、会議では話し合われなかったことを記述する場合もあるかもしれません。その場合も、決まったことや話し合い中のこととは分けて書くようにしましょう。この辺は明確に区別をつけないと分かりにくいものです。気をつけましょう!
議事録の書き方、いかがでしたか? お気づきかと思いますが、議事録を書く時に留意すべきポイントは、議論を進める時のポイントでもあります。
それぞれの職場に議事録のフォーマットがあると思いますが、踏まえるべきポイントは同じです。今回のポイントを意識して、議事録の完成度を高めるとともに、自己研鑽の機会にしてしまいましょう!